GUIDELINES
ガイドライン
フラスタの受入・制作・納品・回収に関する基本方針
01協会設立の目的
日本フラスタ協会は、コンサート、ライブ、舞台、イベント等に贈られる祝い花(フラスタ、楽屋花等)の文化を、安全かつ持続可能な形で発展させることを目的とする。
フラスタは、一般的な花束やアレンジメントとは異なり、制作技術、搬入・設置・回収体制、イベントごとのレギュレーション遵守、ユーザー要望の整理、会場側との調整など、高度な運用管理が求められる商材である。
近年、推し活文化の広がりに伴い、ライブ、コンサート、舞台、イベントなどにおけるフラスタ需要は拡大している。一方で、関係者ごとに以下のような負担やリスクも発生している。
イベント運営元・会場管理者
フラスタの受け入れが直接的な収益につながりにくい一方で、問い合わせ対応、設置場所の確保、安全確認、撤去・回収確認などの管理負担が発生している。
ユーザー
納品トラブル、災害や交通障害による納品不能、イベント中止・延期時の返金トラブル、装飾品の紛失・破損、レギュレーション違反に関するSNS上での批判・拡散などのリスクがある。
花屋
イベントごとのレギュレーション確認、駐車場所や搬入経路の確保、夜間・深夜の回収対応、ユーザー要望と会場ルールの調整など、通常の花贈りとは異なる業務負担が発生している。
このような状況を踏まえ、日本フラスタ協会は、イベント運営元・会場管理者、ユーザー、花屋が安心してフラスタ文化に関われるよう、標準的なルール整備、加盟花屋の品質向上、受入管理体制の整備、トラブル予防、補償制度の検討、正しい知識の啓蒙などを推進する。
02本ガイドラインの位置づけ
本ガイドラインは、コンサート、ライブ、舞台、イベント等におけるフラスタ、楽屋花、祝い花の受入・制作・納品・回収に関する基本方針を示すものである。
本ガイドラインは、フラスタ文化を過度に規制することを目的とするものではなく、関係者間の認識を整理し、トラブルを予防しながら、安心してフラスタを贈れる環境を整えるための指針である。
各イベント、主催者、会場が個別に定めるレギュレーションがある場合は、当該レギュレーションを優先する。
03基本理念
日本フラスタ協会は、以下の理念に基づき活動する。
- フラスタ文化の継続と発展を目指す
- イベント運営元・会場の負担軽減を図る
- ユーザーが安心して注文できる環境を整える
- 花屋の過度な負担や不合理なレギュレーションの改善を目指す
- 安全性・品質・回収責任を重視する
- 業界全体として信頼される仕組みを構築する
04協会の主な活動内容
日本フラスタ協会は、以下の活動を行う。
4-1. 標準レギュレーションの策定
イベント運営元・会場ごとに異なるフラスタ受入ルールについて、標準的なガイドラインを整備する。主な対象項目は以下の通りとする。
- 搬入方法や条件の基準
- 搬入時間、搬入経路、受付方法、設置方法の整理
- サイズ上限、スタンド台、装飾品等の安全基準
- 回収日時、回収方法、未回収時の対応
- 問い合わせ窓口の明確化
- 楽屋花、アレンジメント、バルーン、パネル等の取り扱い
- 会場やイベントごとの個別ルールとの関係整理
4-2. 加盟花屋制度の整備
一定の基準を満たした花屋を協会加盟花屋として登録し、イベント運営元・会場・ユーザーが安心して依頼できる体制を整える。加盟花屋には、以下の基準を求める。
- フラスタまたはこれに準ずる大型祝い花の制作・納品・回収に関する実務経験、または協会が指定する研修・審査等により同等の運用能力が確認できること
- イベントごとのレギュレーション確認体制
- 搬入・設置・回収の責任体制
- ユーザーへの説明体制
- トラブル発生時の報告体制
- 安全性に配慮した制作・施工
- 回収不能・遅延時の対応ルール遵守
- 必要に応じた損害保険等への加入
- 反社会的勢力との関係排除
4-3. イベント運営元・会場向け相談窓口の設置
イベント運営元・会場からの相談を受け付け、フラスタの受入可否、レギュレーション設計、回収方法、管理費設定などに関する助言を行う。主な相談内容は以下を想定する。
- フラスタ受入ルールの作成
- フラスタ受入数の管理
- 搬入・回収時間の設定
- 会場導線や安全面への配慮
- 受入管理費・安全管理協力金の設計
- 加盟花屋を優先・推奨する運用の検討
- 一括回収スキームの導入
- トラブル発生時の対応フロー
4-4. 一括回収スキームの構築
イベント終了後の夜間・深夜回収や、複数花屋による個別回収の負担を軽減するため、協会または協会提携事業者による一括回収スキームを検討する。一括回収スキームでは、以下の整備を行う。
- 回収対象範囲の明確化
- 回収費用の設定
- 回収日時の事前共有
- 花屋・会場・イベント運営元との連携
- 未回収品の扱い
- 廃棄・再利用・分別のルール
- 回収完了報告の方法
一括回収・処分スキームについては、廃棄物処理に関する法令や自治体ルールを確認し、必要に応じて専門業者と連携する。
4-5. 保険・補償制度の検討
不可抗力によるイベント中止・延期等により、ユーザーが高額なフラスタ代金を失うリスクを軽減するため、保険会社・保険代理店等と連携した補償制度を検討する。
補償対象、免責事項、補償上限、申請条件、申請期限等については、保険会社および専門家と協議のうえ、別途定めるものとする。
05加盟花屋向けガイドライン
5-1. 基本姿勢
加盟花屋は、単に商品を制作・納品するだけでなく、イベント運営元・会場・ユーザーに迷惑をかけない運用を行う責任を負う。加盟花屋は、以下を遵守する。
- イベントごとのレギュレーションを事前に確認する
- 受入可否が不明な場合は、独断で受注を確定しない
- サイズ、装飾、納品時間、回収時間をユーザーに明確に説明する
- 会場や運営元への確認事項を整理する
- 納品・回収の責任者を明確にする
- 納品・回収当日は、緊急連絡に対応できる体制を整える
- 回収遅延や納品不可が発生した場合は速やかに報告する
- ユーザー要望を無制限に受けず、安全性・規約遵守を優先する
5-2. 制作時の安全基準
加盟花屋は、以下の安全基準を守る。
- 通行人、出演者、スタッフに危険を及ぼす装飾を使用しない
- 鋭利な素材、破損しやすい素材、火気を伴う素材を使用しない
- 電飾を使用する場合は、発熱、漏電、電池切れ等に配慮する
- バルーンを使用する場合は、破裂、飛散、通行妨害に配慮する
- 装飾品は落下しないよう固定する
- 会場の床、壁、設備を傷つけない仕様とする
- スタンド台や装飾全体の転倒防止に配慮する
5-3. ユーザー説明の義務
加盟花屋は、注文時にユーザーへ以下を説明する。
- フラスタはイベント・会場レギュレーションに従う必要があること
- 注文後でも、会場都合により仕様変更が必要になる場合があること
- 設置場所は花屋やユーザーが自由に指定できない場合があること
- 主催者・会場判断により受入不可となる場合があること
- 回収が必要な商品であること
- 持ち込み装飾品には制限があること
- 持ち込み装飾品の返却可否、返却方法、費用負担
- キャンセル・返金条件
- イベント中止・延期時の対応
- 著作権・商標権・肖像権等に関する注意事項
5-4. 禁止・注意すべき装飾
以下の装飾は、原則として使用を避ける、または事前確認を必須とする。
- 火気を伴うもの
- 強い匂いを発するもの
- 液体が漏れる可能性のあるもの
- 食品・飲料、腐敗や液漏れのおそれがある装飾品
- ガラスなど破損時に危険なもの
- 鋭利な金属、針金等が露出するもの
- 紙吹雪、ラメ等、飛散するもの
- 会場設備に貼り付ける必要があるもの
- 音が鳴る装置
- GPS、録音、録画等、プライバシー侵害のおそれがある機器
- その他、会場・運営元が不適切と判断するもの
5-5. 回収責任
加盟花屋は、納品したフラスタについて、原則として回収責任を負う。
- 回収日時を事前に確認する
- 回収担当者を明確にする
- 回収不能の場合の代替対応を用意する
- 回収完了後、必要に応じて会場・運営元へ報告する
- 回収遅延が発生した場合は速やかに連絡する
- 未回収によって会場・運営元に損害が発生した場合は、協会ルールに基づき対応する
06イベント運営元・会場向けガイドライン
6-1. 受入方針の明確化
イベント運営元・会場は、フラスタを受け入れる場合、以下の情報を事前に明確化することが望ましい。
- フラスタ受入の可否
- 受付可能数
- サイズ制限
- 搬入可能日時
- 回収必須日時
- 設置可能場所
- 送付先・搬入口
- 受付・宛名・注文者情報の記載方法
- 問い合わせ先
- 受入管理費・安全管理協力金の有無
6-2. 加盟花屋の優先・推奨運用の検討
イベント運営元・会場は、現場負担やトラブルリスクを軽減するため、協会加盟花屋を優先・推奨する運用を検討できる。加盟花屋を優先・推奨することで、以下の効果が期待できる。
- レギュレーション違反の減少
- 未回収リスクの軽減
- 問い合わせ窓口の整理
- 搬入・回収管理の効率化
- トラブル時の責任所在の明確化
- 安全基準を満たしたフラスタの受入
6-3. 受入管理費・安全管理協力金
フラスタ受入に伴う会場・運営元の管理負担を考慮し、受入管理費または安全管理協力金の設定を検討できる。費用の対象例は以下の通り。
- 受入管理
- 設置場所の確保
- 搬入・回収時の立ち会い
- 問い合わせ対応
- 安全確認
- 未回収時の一時保管
- 一括回収費用の一部負担
費用設定にあたっては、ユーザー・花屋・運営元の負担バランスを考慮し、過度な負担とならないよう配慮する。
6-4. 一括回収の導入
イベント運営元・会場は、複数花屋による個別回収が現場負担となる場合、協会または協会提携業者による一括回収スキームの導入を検討できる。一括回収導入時には、以下を事前に定める。
- 一括回収の対象範囲
- 回収費用
- 回収日時
- 回収後の処分方法
- 花屋・ユーザーへの案内方法
- 未回収扱いとなる条件
- 回収完了報告の方法
07ユーザー向けガイドライン
7-1. 注文前の確認事項
ユーザーは、フラスタを注文する前に、以下を確認することが望ましい。
- イベントがフラスタを受け入れているか
- 会場・主催者のレギュレーション
- サイズ制限
- 納品可能日時
- 回収条件
- 宛名・立札の記載ルール
7-2. 注文時の注意事項
ユーザーは、以下を理解したうえで注文する。
- フラスタは会場・主催者の判断に従って設置される
- 希望した場所に必ず設置されるとは限らない
- 会場都合により、サイズ、装飾、仕様の変更が必要になる場合がある
- レギュレーション違反となる装飾は使用できない
- イベント中止・延期時の返金可否は、花屋、保険制度、制作進行状況により異なる
- 著作権、商標権、肖像権等を侵害する内容は避ける
- 個人情報や出演者のプライバシーを侵害する装飾は使用しない
7-3. 持ち込み装飾品について
ユーザーが装飾品を持ち込む場合は、以下を守る。
- 返却が必要なものは、注文前に花屋へ事前相談する
- 返却可否、返却方法、返却費用の負担を事前に確認する
- GPS、録音機器、録画機器等は使用しない
- 火気、液体、食品、飛散物、鋭利なものは使用しない
- 会場や運営元が禁止する装飾品は使用しない
持ち込み装飾品は、会場レギュレーションや納品状況により、使用できない場合がある。また、返却保証の有無については、注文時に花屋と確認するものとする。
08トラブル対応ガイドライン
8-1. 主なトラブル例
協会は、以下のようなトラブルの予防と対応を行う。
- レギュレーション違反
- 回収遅延・未回収
- サイズ超過
- 装飾品の落下・破損
- 会場設備の汚損・破損
- イベント中止・延期時の返金トラブル
- 受入不可による納品不能
- SNS上での批判・拡散
- 個人情報・プライバシー侵害
- 著作権・商標権・肖像権に関するトラブル
8-2. 報告義務
加盟花屋は、重大なトラブルが発生した場合、速やかに協会へ報告する。報告対象は以下とする。
- 会場・運営元からの苦情
- 未回収
- 損害賠償につながる可能性がある事案
- ユーザーとの重大な返金トラブル
- SNS等で拡散されている事案
- 安全上の問題が発生した事案
- 協会加盟花屋全体の信用に関わる事案
8-3. 違反時の対応
協会は、加盟花屋がガイドラインに著しく違反した場合、事実確認のうえ、注意喚起、改善要請、加盟資格の一時停止、加盟取消等の対応を検討する。対象となる行為は以下の通り。
- 繰り返しの未回収
- 重大なレギュレーション違反
- 会場・運営元への虚偽説明
- ユーザーへの不適切な説明
- 返金対応の放置
- 協会名義の不正利用
- 反社会的勢力との関係
- その他、協会の信用を著しく損なう行為
09協会の責任範囲
協会は、加盟花屋に対してガイドラインの周知、情報提供、運用改善の支援を行う。
ただし、個別取引における制作内容、納品、回収、返金、損害賠償等については、原則として注文者と花屋の契約内容に基づき対応するものとする。
協会は、イベント運営元・会場・ユーザー・花屋の間で発生する個別紛争について、必要に応じて情報整理や再発防止のための助言を行うことがあるが、すべての損害やトラブルについて責任を負うものではない。
10基本メッセージ
日本フラスタ協会は、フラスタを規制するための団体ではなく、フラスタ文化を守り、広げるための団体である。
花屋にとっては、安心してフラスタ事業を継続できる環境を整える。
イベント運営元・会場にとっては、フラスタ受入の負担とリスクを軽減する。
ユーザーにとっては、大切な想いを安心して届けられる環境をつくる。
協会は、関係者全体にとって無理のないルールと仕組みを整え、フラスタ文化の持続可能な発展を目指す。